ラッセンの特徴の一つとして「ミックスドメディア」という事があります。

ミックスドメディアはその名の通り、メディアを混用すること。

現代美術において、性質、種類の異なる複数の素材を組み合わせて作品をつくる技法をいいます。

さらにそのミックスドメディアの中でラッセンがオリジナルで行っているのが「ラッセングラフ」という版画の技法です。

通常の版画では紙やキャンバスに刷る所をこのラッセングラフはジークレーと手塗りで仕上げるのです。

ジークレーというのは最新のコンピュータ技術を使った版画技法です。

アイリス工房で制作されるジークレー版画はアイリス(IRIS)とも呼ばれます。

ジークレーはフランス語で「インクの吹き付け」を意味し、 スクリーンを使用せずダイレクトにインクを版画紙や キャンバスに吹き付ける技法です。

このジークレーで作成した版画に更に手を加えるのがラッセングラフです。

尤も特徴的なのは「ボード」に印刷する為、出来上がった版画の表面が写真のように光沢があるという所です。

ラッセンの作品が版画なのに、一見して版画に見えない完成度を誇っているのはこうした独自の技法が使われているからなのです。

現在ではCG等で難なく再現できるであろうこの手法も、当時はかなり画期的な技法として注目を集めました。

ラッセンが他の画家と一線を画していたのもこのような技法を駆使していたからです。

絵画的価値としては賛否両論があるこのミックスドメディアですが、確かな地位を確立したという点ではかなり評価されたのではないでしょうか。